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洋服を買いに行って、値札と一緒に付いている下げ札見ますよね?
↑こんなやつです。
これには値段以外にもカラー・サイズや使われている素材が書かれています。
でも、素材の名前を見てどんな素材かがわかるひとっていますか?
綿や麻、毛などの天然由来のものは分かりやすいと思います。
ポリエステル・アクリル・ナイロン etc…
これだけを見てその素材の特徴がわかるひとってなかなかいませんよね?
もしいたらかなりのオシャレ中毒か繊維マニアです。
僕もこの仕事をしていなかったらおそらく、
「ふ~ん、ポリエステル100%か、綿じゃないんだ」
くらいにしか思わなかったと思います。
でも、繊維によってその特徴や肌触り、洗濯の仕方やNGな取り扱い方が違います。
なので、簡単にですが代表的な繊維について解説してみようと思います。
金属やガラスの繊維なども世の中にはありますが、洋服に使われる繊維は大きく分けて2種類です。
天然繊維とは、自然界の生物から採れたものを繊維にしたものです。
そのなかでも、植物繊維と動物繊維があります。
植物繊維の代表的なものは綿(コットン)や麻(リネン・ラミー)。
動物繊維は毛(ウール)・カシミヤ・シルク・ダウンなどです。
綿は説明不要ですね。洋服にもっともよく使われている繊維です。
繊維の長さが長いものほど良質とされます。
肌触りが良く、熱に強いという良い特徴を持つ反面、縮みやすい、シワになりやすいという悪い特徴もあります。
縮みを100%防ぐことはできませんが、家庭で洗濯した場合は、できれば自然乾燥が一番です。
乾燥機を使う場合は、乾燥時間をなるべく短くするのがおすすめです。
麻には20種類以上の種類があり、一般的には亜麻から採取できるリネンがよく使われています。
ユニクロのプレミアムリネンシャツなんかもこれです。
リネンについてはこちらもご覧ください。
通気性が良く、水分の吸水・発散性に優れ乾きやすいですが、こちらもシワになりやすいです。
羊の毛から作られる繊維です。
保温効果が高く、弾力性に優れるためセーターによく使われます。
こちらは植物繊維と違い、シワになりにくいです。
しかし、水を含むととても縮みやすいです。セーターを洗濯したら子供服みたいになった経験ありませんか?
家庭で洗濯するときは、必ず洗濯ネットにいれて、水で洗ってください。
お風呂の残り湯で洗濯すると確実に縮みます・・・
強度が低いため取扱い注意の繊維です。
蚕の繭から取れる繊維で、天然繊維の中で最も細い長繊維です。
1つの繭から1,500m!くらいの糸が取れます。
綺麗な光沢があり、日本でも昔から高級品に使われてきました。
ただ、シワになりやすい・縮みやすい・虫がつきやすいなどの特徴もあり、扱いの難しい繊維です。
手間がかかるので家庭での洗濯はおすすめできませんが、
どうしてもという場合は手洗いで、脱水は3~5秒して、形を整えてまた脱水を繰り返し、シワに気をつけてください。
化学繊維とは、天然繊維とは違い、科学的プロセスに製造される繊維の総称で人造繊維とも呼ばれます。
化学繊維と聞くと、環境に良くなさそうに思われますが、実はそんなことはありません。
きちんとリサイクルできれば、天然繊維よりも環境に優しい場合もあるんです。
基本的には自然界に存在するものを原料に、本来繊維にならないものを科学の力で繊維にしたものが化学繊維です。
日本の合成繊維の中で最も多く生産されている繊維です。
ドラフトのある福井県はポリエステル織物の出荷高全国一位で、福井が繊維王国と呼ばれる所以になっています。
ちなみに「下町ロケット」に出ていた桜田経編は、福井県の生地メーカーがモデルです^^
コットンに近い質感があり、また機能性に非常に優れているため、多様な洋服に使用されます。
シワになりにくい、型崩れしにくい、非常に強く丈夫、乾きが早いといった良い特徴を持ち、
悪い点は静電気が起きやすい点くらいです。
家庭の複数回の洗濯にも耐える強度があり、ほとんど縮みません。
毛(ウール)を目標に作られた化学繊維です。
なので、非常に軽く、保温性に優れています。
毛(ウール)よりも引っ張る力に強く、セーターや靴下によく使われます。
悪い特徴は静電気を発生しやすいところと、熱に弱いところです。
毛(ウール)と比べると取扱いは楽で、家庭で気軽に洗濯できますが、アイロン使用時は必ず当て布をするようにしてください。
日本が開発した化学繊維で、世界で最も古い化学繊維と言われています。
非常に強く、織物にしてもシワになりにくい特徴があります。
ナイロン100%の生地は、水着やストッキングによく使われます。
また、強度が非常に高いため、他の繊維と混紡し補強に使われることもあります。
伸縮自在の合成繊維です。
PUレザーという標記を目にしたことありませんか?
PUとはポリウレタンのことで、ポリウレタンを加工し作られた人工革です。
伸縮するので、綿と混紡されることも多いです。
スキニーパンツには大体使われてますね。
木材パルプを原料としています。
木材から取り出した繊維の元を溶かし、それを繊維状に再生するため再生繊維とも呼ばれ土に還ります。
光沢があり、着心地がシルクに似ているため、昔は人絹とも呼ばれていました。
本来メンズのスラックスはポリエステルをメインに使うことがほとんどですが、
Dコレの国産スラックスはこの繊維を60%使用しており、とても上品な光沢があり、高級感を演出してくれます。
その反面、シルクと同じようにシワになりやすい・縮みやすい・強度が低いという短所がありますが、
上で解説したナイロンを36%混紡し、シワになりにくく、縮みにくい繊維にしています。
さらに、上下左右方向にポリウレタンを混紡(4%)することで、他にはない4wayストレッチを実現しています。
このように、繊維と一言で言っても種類はたくさんあり、ここで紹介したものも代表的なもので、ほんの一部です。
でも、それぞれの繊維に特徴があり、扱い方も違うということは分かっていただけたと思います。
それぞれの特徴を理解し扱うことで、洋服を長持ちさせることもできます。
洋服を買う際には、参考にしてみてくださいね。
それでは、また。
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