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【スタッフコラム】オシャレで人生が豊かになったS君の話

「オシャレで人生を豊かに。」

これはメンズファッションサイト「Dcollection」を運営する、株式会社ドラフトという会社の企業理念である・・・

ササ
こんにちは。ライターのササと申します。
僕はそんな理念を掲げる会社で、オシャレを楽しむためのブログを書いております。
今日は、僕がよく知るS君という人物の話を紹介したいと思います。
彼こそまさに、オシャレで人生を豊かにした男。僕はそう思っているのです。

では、はじまりはじまり。

S君、オシャレと無理やり知り合う。

彼の中学・高校時代は野球と共にあった。つまり、ボウズ頭と共にあった。

彼はオシャレとは無縁の男で、ベースボールシャツとジャージで恥ずかしげもなく街を歩いた。

後にS君は「あのヘアスタイルはオシャレしようという心まで丸刈りにする」と意味のわからない供述をしている。

大学に進学し、ボウズ頭も卒業したが、彼がオシャレを気にかける様子は皆無。

「オシャレなんてしなくても生きていける」と言いながら、キラキラした“Campus life”を送る同年代を尻目に、マイペースな“大学生活”を送ろうとしていた。

そう、そのはずだった。

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S君は大学で、コタニ君という友達を得た。

ある日、コタニ君はS君に意を決したように言った。

「前から言おうと思ってたけど、その格好はない」

S君に反論する気持ちはなかった。いや、反論する資格がなかった。

そんな彼に、コタニ君は「絶対に人生損するからオシャレを気にかけろ」と言った。

そして、おすすめのアパレル店に、渋るS君を無理やり連行したのである。

コタニ君はS君にシンプルなシャツと黒のパンツをすすめた。

試着室でそれを着たS君は、鏡にシュッとした感じの自分らしき青年が映っているのを見た。

「服を変えるだけでこんなに雰囲気が変わるなんて」S君は気持ちが高揚しているのを感じた。

彼が「オシャレって楽しいかも」と思った瞬間である。

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S君は、自分に自信が持てないというのが最大の悩みであった。

彼は、オシャレというのはもともとオシャレな人がさらにキラめくためにするものだと信じていた。

しかし、オシャレが楽しいと感じ、自分で進んで服を買いに行くようになったことで、自分にもオシャレをする価値があると思い始めたのだ。

「この服を着て大学を歩いたら気分がいいだろうな」

  • 授業も楽しく受けられるに違いない。
  • サークルも本格的に探してみよう。友達が増えるかもしれない。
  • そうして Campus lifeを謳歌しているうちに、モテモテになっちゃうかもしれない。

どれとは言えないが1つを除いて、S君の想像は現実になっていった。

アラサーS君、〇〇したい。

Campus lifeを経て、S君は無事に就職。

仕事は大変ながらもやりがいがあり、休日は趣味を楽しんだり気の合う友達と遊んだりして過ごした。

しかし、S君には1つ、なんとか実現したいことがあった。

「このまま自分一人のために頑張るのは、なんだかさみしいなぁ」

気づけばアラサー。親友たちもすでに結婚して、お幸せな日々を送っている。

僕も結婚して家庭を持ちたい…。その想いがS君の胸中を占めていた。

しかし、S君の過去の色恋話は、6割が残念な思ひ出、3割が痛々しい思ひ出、残り1割がほろ苦い思ひ出で構築されていた。

つまり、前途多難であった。

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そんなあるとき、年配の女性の上司に「好いた惚れたも大事やけど、結婚したいと思うんなら婚活をせなあかんざ!」とお酒の席で言われた。めちゃくちゃ福井弁だった。

しかし、S君のマシュマロのように柔らかく素直なハートには刺さるものがあった。

このままあてなく恋路を探してさ迷っても、暗い路地裏に迷い込むか、また残念な思ひ出の割合を増やすだけではないだろうか・・・

S君は、オシャレでモテモテにこそなれなかったが、要所で勇気を振り絞れる男になっていた。

S君、オシャレして婚活に行く。

白シャツにジャケットを羽織ったS君は、目的地に1時間以上早く到着し、緊張のあまり15分に1回トイレに行った。

申し込んでしまったのである。
「婚活」という名のイベントに。

「もはや目をつむってもこのトイレに出入りできる」そうS君が自信に目を光らせたとき、時間になり、会場が開いた。

S君は、「ここにお座りください」と言われた席に座ると、ここぞとばかりにそわそわした。

少しずつ参加者がやってきて、会場の席が埋まっていく・・・

1万回と2千回そわそわしたところで、彼の視界を長い黒髪と淡いオレンジのスカートがふわりと通り過ぎた。

その“ふわり”の正体が、現在のS君の奥様である。恋路と好いた惚れたは、勇気とそわそわの先にあった。

S君の奥様は、そのイベントでS君を選んだ理由を「一番あの場に合ったオシャレをしてたから」と語る。

これ、この記事のために作られた話だと思われるかもしれないが事実である。本当なら、イケメンだったからという理由が希望なのである。

あとがき

その数年後、S君はあろうことかオシャレを提供する会社に転職します。

昔から好きだった書くことを仕事にし、恐れ多いことにオシャレの楽しさを発信するブログを書いているという。コタニ君が知ったら驚くことでしょう。

S君は言います。

S君
もしオシャレを知らずに生きていたら?そうだなぁ。
僕ならきっと「そんなダサいところも好き」と言ってくれる女性と結婚できたことだろう。うん、間違いない。
・・・でもそれだと、今の妻と息子に出会わないことになるからナシですな。

このような謎の自信を語るようになったのは、彼がオシャレと出会い、オシャレを楽しむなかで自信を積み重ねたからだと、僕は思うのです。

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オシャレをしなくても生きていけるというS君の当初の考えは、真実でしょう。その人生なりの豊かさもあることでしょう。

ただ、オシャレには人生の楽しい時間や場面を、より楽しい気分で過ごさせてくれる力があると思うのです。

そういう豊かさを、オシャレは作れる。

S君の話は、そのほんの一例です。

ササ
本作はフィクションのようなノンフィクションであり、実在の人物もいたりしますが仮名です。

みなさまのご意見お待ちしています。

こんなのが読みたい!この記事よかった!S君て誰!?なんでもOK。

S君の正体は秘密ですが、ご感想やリクエストを参考に、より楽しんでいただける情報発信をしていきます。下記アンケートからぜひお寄せください。

ササ
スタイリスト ササ
プライベートでも個人ブログを10年運営する生粋のブログライター。真夏でも黒スキニーを穿く男。 「わかりやすい・読みやすい・おもしろい」をモットーに、オシャレの効果や楽しさを書き綴る。森見登美彦さんの文章が大好物。